【内容紹介】
第9回塔新人賞受賞、故郷の石巻市で石巻若手短歌集団「短歌部カプカプ」を率いる歌人・近江瞬による待望の第一歌集。
みずみずしい青春のシーンから東日本大震災以降の自身と故郷の関係を描いた「狭間に揺れる」まで、
今ここにしかない「瞬間」は三十一音で鮮やかに切り取られ、未来へと続いてゆく。
新人賞受賞作・候補作を含む全365首を収録。
きっとずっと、心の味方になってくれるしなやかな歌たち。──東直子
「物語」ではなく、「瞬間の積み重ね」として、人生は変わりながら続いてゆく。──山田航
何度でも夏は眩しい僕たちのすべてが書き出しの一行目
ベランダで黒板消しを叩いてる君が風にも色を付けつつ
まだ割れることを知らない空中の瓶だよ僕らの今は例えば
立入りを禁止されてる屋上に上あがれば広がる空も同罪
三月十二日の午後二時四十六分に合わせて一人目を閉じている
【目次】
Ⅰ 空を集める/輪郭線/グリコ/交わる角度求めては/机を埋める/夕暮れの色鬼
Ⅱ 英語の海に/無作為/微かに揺れる/きえる、きこえる/半分の月/夏のひとかけ/小指の先/地図から消える/この道を渡る/窓をひらく/カメラロール/ここからが二丁目
Ⅲ 句読点/1日と1分/狭間に揺れる
解説 虹は消えゆく 山田航
あとがき
ISBN:9784865282740